応募の流れ2(第一次選考)

応募編

第一希望で選考を受けれる可能性は低い

応募締め切り後、約1カ月で書類選考(第一次選考)合否が通知される。この時に初めて「あなたは〇〇の案件で第二次選考に進んでいただきます」と通知を受ける。ここで強調したいことは第一希望が通る可能性は低いと言うことだ。私は第三希望の国で選考に進んだが、訓練所で会った約60人の同期の話を統合すると「正に自分が希望していた案件や国で選考を受け合格した」という方は10%にも満たなかった。中には「全く希望もしていない案件で第二次選考を受けた」という方も複数人いた。ここで私が強く疑問に思うことがある。私は結果として第三希望の国に派遣されたが、選考結果を確認すると私が第一・第二希望としていた案件には結局合格者がおらずそれらの案件には隊員が派遣されなかった。JICA側からすれば「適正を判断した」ということなのだろうが、私の第一希望と第三希望は要請内容がほぼ同じで使用する言語も同じだった。なぜ私は第三希望の国に派遣されたのか?

ここからは推測の域になるが、JICA側がボランティアの派遣する国を政治的な理由を重視し派遣される隊員の配分などを考慮した上で恣意的に選び、ボランティアの選考を行っていると考える。〇国で活動しているボランティアが少ないから派遣人数を増やそう、あるいは多いから今回は派遣人数を少なくしようと、いうことだ。私が派遣された国は同期人数が同隊次の中では最多人数だったが、派遣人数が多くなれば相手国に与える印象は良くなるだろう。途上国との関係を築く上で隊員派遣を利用することはあり得る。選考合格後にしばらくして公開される選考結果を見てかなりの偏りを確認してからは、派遣先をこのような理由で決定しているような気がしてならなかった。政治的な要素が隊員の希望より優先される可能性があるということだ。

訓練所であった同期の中に「希望もしていない案件だった」方が複数人いたと先述したが、希望する案件でないなら選考辞退すれば良いのでは?と考える方もいるだろう。全くその通りだ。ただ海外青年協力隊の募集は年二回だ。春と秋に募集されるが、春にあった要請と同じような要請が秋にあるとは限らない。またJICAHPには「辞退した場合、次回の選考で参考にする」と書かれている。私の隊次の中で「一度選考を辞退し、その後に選考を受けて合格した」という方は一人もいなかった。 選考を辞退すると「もう合格できないかもしれない。希望する案件ではないけど住めば都と言うように、思いのほか楽しいかもしれないし良い経験になるから選考に進もう」などと希望していない案件にも関わらず選考に合格し派遣されたという方は大勢いる。派遣後にどう思うかはそれぞれによるため他の方のブログ等を参考頂きたいが、近年は協力隊に応募する人数が減っているデータがある。JICAがこのようなミスマッチを生む選考を止め、派遣中の手当を増額しない限りこの問題は解決しないと見ている。

この海外青年協力隊を志望する方の希望を無視した派遣は派遣後のモチベーションに大きく関わって来るので、第二選考に希望案件以外で進まれる方は今一度慎重に検討された方が良い。時期によるが、任期である2年間を完走できず途中で帰国する「任期短縮」をする人は全体の1割ほど必ず出てくる。任期を完走できずに帰国すると健康上の問題で帰国せざるを得ない、政治的(デモ、テロなどによる極度の治安悪化)理由を除きキャリアに傷をつけてしまう可能性がある。「やらない後悔よりやる後悔」という言葉があるが、私は「派遣されて後悔」したので希望者においては慎重に検討頂ければと思う。

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